2012年10月28日日曜日

丹生川上神社中社5


爺婆石
西の参道口で爺婆石が出迎えてくれる。
鳥居に向かって正面左側が爺石右側が婆石で夫婦石とも呼ばれている。
かつてこの地方では木材の搬送の主力が筏で享保年間より紀州に送り出すのに始まったとされる。
東吉野村より切り出された木材は筏を組みこの社前、爺婆石下の所を目安として川をせき止めて水を溜める鉄砲ぜきをつくり鉄砲水を送って筏を流す処から筏乗りは多年の経験を積んで一人前となったが、この筏にて川を下るという事は命がけの仕事であった。
道中の安全を翁に祈る信仰がいつしか生まれ、それが爺婆石の姿となった。
その後、時代の変遷と共に木材の運搬も自動車を主体としたものに移り変わり、筏流しも見られなくなったが、道中の安全を願う心は今も変わらない。
更には当地区は長寿者も多く、延命長寿・夫婦円満を願い、爺婆石をなでる老若男女の姿が日々見受けられる。

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